教育・遭対部「セルフレスキュー実技講習会」
2017年11月25日(土)
会員の参加者:男21名、女25名 計46名
教育・遭対部主催の第7回「セルフレスキュー実技講習会」が、晴天の下、46名もの多くの会員の参加を得て、平塚市高麗山公園内で開催されました。
今年も新たな課題や方法に積極的に習得に努めましたが、今後も、基本を大事にしながらも、マンネリ化しないよう新たな知識・実技を盛り込んで、更に役に立つ確実な技術を学び、楽しく取り組みながら、レベルアップを図っていきたいと思います。
今回も会の総力を挙げて行われ、運営委員会、教育・遭対部の全面的な協力と参加者の意欲的な取り組みのお蔭で、楽しく、熱心な訓練を行うことができました。
今回、初めて参加された方が11名でしたが、まだ参加されていない方及び慣れていない方は、是非、次回は参加して有意義な体験をしてみてください。また、毎年受講されることにより、確実なレベルアップに努めてください。
大磯駅から徒歩1時間弱で現地に到着し、ウォーミングアップ体操を行って体をほぐした後、「今回は、4回以上の方が27名と過半数を占め、これらの方々は、応急手当や搬出法はかなり身についていますので、今後、リーダーとして対応できるよう重点的に取り組んでいただきたい。また、2~3回目の方は、全般的に習熟に努め、今回初めての11名の方は、まず、体験していただきたい。講義はポイントを中心とし、実技に力を入れて進めます。」と、開催目的が述べられました。
「17年版テキスト」に従って、講義・実演・実技演習に入りました
「『セルフレスキュー』は、事故発生直後に現場にいる者・パーティーが自力で行うべき初動救助で、後に、警察・消防・救助隊やヘリコプターによるレスキューへの引き継ぎを行うまで、傷病者(事故者)を保護したり、軽微な事故であれば自力下山したりするための、我々登山者が習得すべき技術である。」との説明・確認があり、「事前防止対策」の説明では、「セルフレスキュー」は、救助活動などの「事後活動」に限ったものと思われがちですが、「事前防止対策」も「広い意味でのセルフレスキュー」ととらえられ、山行に出発する前から安全登山に対する準備は始まっており、次の事項順守が強調されました。
(1)「登山計画書の未提出」は、コースや足取りがわからず、対応が遅れるばかりでなく、助かる命も手遅れになる。
(2)天候の変化、時間切れ、体調不良等のために、山行の途中でコースを変更して下山する場合があるので、そのような状況に備えて、コースの途中での「エスケープルート」を事前に考えられる限り、「山行計画書」に明記する。
(3)「健康管理」では、日常の生活管理はもちろん、高血圧症・心臓病・糖尿病・前立腺肥大症・不整脈等の「持病」のある人は、主治医からの登山許可を得るとともに、リーダーにその旨を山行前に報告し、薬の服用によっては、眠気等、行動に支障をきたす恐れがあるので、飲んでから効くまでの時間を考慮し、リーダーに事前に報告する。
(4)非常用装備で全山行に必ず携行するものとして、特に、ヘッドランプ・防寒着・遭難事故連絡書そしてパーティー用として登山靴の修理用に結束バンドが挙げられた。
次に、今回の講習会の最重要点課題として、【事故発生から救出までの流れと対応】について、①二重遭難の防止、②傷病者を安全な場所へ移動、傷病者へのアプローチ、③応急処置、④救助要請、遭難事故連絡書の使用方法、110番通報のポイント、⑤役割分担、⑥リーダーの判断・指示、⑦ヘリコプターで収容できる場所へ搬送の説明があり、ヘリコプターへの合図、ホイッスルによる遭難信号のやり方を実習した。
続いて、「応急手当」では、まず、「ファーストエイドキット」の必携の中身を参加者が前に並べて確認し、次に、ポイズンリムーバーの使用方法を実際に示した。
続いて、「消毒、止血法」では、要点として、①血液感染防止のため、必ずビニール手袋を使用する。(ビニール袋でも可)、②止血帯法は、神経や筋肉を傷つける恐れがあるため勧められない、との確認の説明があった。
「三角巾の作り方、使い方」を実習しましたが、三角巾の作り方及び本結びの結び方では、反復訓練した成果がでていました。三角巾の代用として、女性用パンストを利用して、頭部や腕の固定を行いましたが、ほどけず、使いやすく実用的で、好評で、男性陣も多くの方が持参し、恥ずかしがらずに熱心に取り組んでおられました。また、三角巾の代用として、特大のビニール袋を使用して前腕を吊る実習を、昨年より有効な方法を取り入れて結びやすく、実用的で、人気がありました。
「捻挫・骨折の手当て」では、三角巾を使用して、イラストにもとづいて、①額、②頭部、③前腕部、④手首骨折、⑤足首捻挫、⑥下腿骨骨折の応急処置を行いました。
【搬送】に入り、「一人で運ぶ方法」から「六人で運ぶ方法」まで、一通り実習しました。簡易担架では、フリースや雨具上衣を3枚使用して「ウェア担架」を作り、6名で運ぶ際、120㎝スリングを使用して肩にクロス掛けすると運びやすく、腕力を使わず、女性だけでも運べました。
【ツエルトの張り方】に入り、立木とストックを使用して、持参した各人のツエルトを張る練習をしました。回数を重ね、だいぶ、スムーズに張れるようになってきました。
昼食を取り、午後に、簡易チェストハーネスの作り方を実習し、「低体温症」、「熱中症」の症状、対応及び「症状に合った回復体位」を実地に学びました。
最後に、「総合演習」として、実際の事故を想定して、6班にそれぞれ出題された課題について、班員が、安全確認係・応急手当係・記録連絡係等を分担して、リーダーを中心に実演に励みました。今回、各班リーダーには、「事故発生から救出までの流れと対応」に沿って、その都度、班員に声を出して、指示・説明をしてもらった結果、これから何を行うのか、非常に明瞭でした。
第7回を迎えた「セルフレスキュー実技講習会」、回を重ねるごとに内容も充実してきています。今回は講習会資料もさらに工夫されて毎回時間のかかっていた内容については、図入りで解りやすく時間も短縮でき、総合演習に重点を向けられたと思います。
又、昼食時前に総合演習の課題を各班リーダーによる抽選で決め、昼食時間中に班ごとに課題について役割分担や段取りの打ち合わせが出来るようにし、今回は講習の初めから班ごとにまとまって受講・実技に取り組み、お昼も班ごとに集まっていたため、班ごとにコミュニケーションが取れとても良かったと思います。
リーダーには課題ごとのマニュアルまで用意され、リーダーとしての行動、言動まで分かりやすく進められたのはとても良かったし、リーダーが堂々としている様に見えました。
演習では、ストックで担架を作って怪我人を運ぶ場面で事前に準備なしでその場で作って運ぶことになりましたが、皆さんが手際よく実行されたことに驚きました。毎回実習しているのが自然と身についてきているのがうかがえました。
当会では安全、安心登山を目指しています。登山中事故の無いことを願うのですが、万が一何かあった時、「セルフレスキュー実技講習」を受けていれば必ず役に立つことになると思います。
お蔭様で沢山の知らなかったことを実技とともにまた先輩がたにも手ほどきをいただきながら楽しく実技ができました。一人ではできないこともみんなの手が有ればなしえる喜びも味わうことができました。
「総合演習」ではそれぞれの課題についてパーティー全員がどの様に行動すれば良いかが楽しく確認できました。これからの山行には今回の資料を何度も読み返し安全に楽しめるようにしたいと思います。
事故が起きた時に仲間がいることの心強さを感じました。もしもの時には協力して対処できるように、毎年繰り返し講習会に参加をしたいと思います。
「計画書」を印刷する時、ページ指定しないと印刷されてしまう2枚目の「遭難事故連絡書」は紙がもったいないなと思っていましたが、講習会に参加して使い方が分かりました。大切なものだったのですね。「山の会演劇部」の迫真の演技も見応えがあり、楽しく有意義な講習会でした。
実技講習会前日、13ページのテキストにさっと目を通しながら、私は大丈夫かしら・・・?という気持で参加しました。テキストの説明とそれぞれの実技実践から沢山のことを学習しました。初めての「実技講習会」貴重な体験をした一日でした。
入会して半年。本などで色々勉強したつもりでいたのですが、実際に体や道具を使ってみることで、改めて実地研修の大切さを実感しました。ここでせっかく学んだことを忘れないように頑張ります。凝縮した一日で、大変勉強になりました。
初めての参加、講義、実技。会社時代でも防災訓練、避難訓練を受けましたが、今回ほど中身の充実したものではありませんでした。いざと言う時に慌てない為にも山岳人には必須科目である事を改めて確認しました。
かねてから、セルフレスキューを学びたいと思いつつもその機会がなく、今に至っておりました。今回入会を機に、この学びを得られた事は、今後の安心安全登山に繋がり、今までとは違った気持ちで山と向き合えるように思えます。自分で調べるのと、実際にやってみるのとでは、理解の深さも違い目からうろこでした。大磯駅に降り立つまでは不安でいっぱいでしたが、先輩方から声をかけて頂き、実技ではマンツーマンのご指導を頂き、まだ会話していない方々とも交流ができ、かけがえのない一日でした。
講習会に参加させていただき、山という環境、そして何もない環境でどのように対応するか実践出来、得るものがありました。またリーダーの役割、メンバーの役割を明確にし、全員で安全かつ協力して行うことの大切さを学ぶことが出来ました。これらは繰り返し訓練していく事で、実践につながると思うので参加して行こうと思います。
今回の講習により、自分自身を守るための術としての必要な道具と、それを使うテクニックを学ぶことができた。ただし、実際のアクシデントでは、自然と使いこなすための習熟度が使いこなすために不可欠であると考えており、今後ともこのような機会があれば、繰り返し学んでいきたい。
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