東北・焼石岳、日本有数の高山植物の群生を観察
2019年6月9日(日) 天候 快晴
会員の参加者数:男3名 女 2:計5名
宿4:45==5:15中沼登山口5:25――6:10中沼6:25――7:00上沼――8:10銀明水避難小屋(コーヒータイム)8:35――10:00姥石平分岐――10:10泉水沼10:15――10:40焼石岳10:50――11:20九合目(昼食)11:50――12:40東焼石岳12:50――13:10姥石平分岐13:15――14:10銀明水避難小屋14:20――15:25中沼15:30――16:00中沼登山口 (行動時間10時間35分、歩行時間8時間40分)
朝5時15分に中沼登山口(標高720m)に到着。70台ほど収容できる駐車場は既にほぼ満杯で、ようやくスペースを見つけて駐車できた。花の名山らしく登山道入り口から、サラサドウダンやタニウツギの可憐な花が迎えてくれる。中沼までの登山道は融雪で少々泥っぽいが夏道が出ている。まずはスダヤクシュやユキザサ、マイズルソウ、コミヤマカタバミ、オオツクバネウツギなどの地味な花々が姿を見せる。この辺りのミズバショウは既に巨大化していた。樹木は、はじめサワグルミが目立つが高度を上げるとモミジやミズナラ、ブナの新緑が美しい。 中沼(標高930m)から先はますます道がぬかるみ、時には融雪水で小川となった登山道を渡渉の要領で進む。雪渓も現れ、薄い部分をうっかり踏み抜かぬよう注意して進む。沼の周辺はリュウキンカとミズバショウの群落だ。ミズバショウは小川化した登山道にまで進出している。登山道脇の花はシラネアオイやサンカヨウ、ツバメオモト、エンレイソウ、オオカメノキ、上沼を過ぎるとムラサキヤシオ、ミツバオウレンと色とりどりに変化する。ミズバショウの大群落を過ぎると5mほどの雪の壁が突然現れる。設置されたロープでこれを乗越すと銀明水(標高1150m)は間近だ。立派な避難小屋がありトイレもきれいなので、ここでの宿泊山行も人気のようだ。樹木はダケカンバやタカネナナカマドに変わり、亜高山帯に入ったことを示す。コヨウラクツツジがひっそりと咲いていた。
名水でコーヒーブレークを楽しんだ後、大きな雪渓を何度もトラバースして標高をグングン上げる。植物はタケネザクラ、ショウジョウバカマ、チチブシロカネソウ、オオバキスミレ、1350mを過ぎたあたりからヤマハンノキにハイマツが混じり始め、コイワカガミ、ミヤマキンバイ、ハクサンイチゲ、チングルマ、ミヤマシオガマ、キバノコマノツメ、イワベンケイ、ムシトリスミレなどが咲き乱れる高山帯となる。焼石岳への道と東焼石岳への道の分岐点となる姥石平(標高1421m)あたりは一面のお花畑だ。お目当てのヒナザクラとユキワリコザクラもしっかり咲いていた。 泉水沼で小休止して焼石岳の稜線へ取り付く。道は少し岩っぽくなり、ミヤマダイコンソウやコメバツガザクラが現れる。残念ながら鳥海山は雲の中だったが焼石岳山頂(1547m)からは360度の大パノラマを満喫した。山頂からゴロ岩重なる北斜面を下って九合目のコルで昼食。今度は南東へ進路を取り焼石岳の東を回り込んで東焼石岳へ向かう。ミヤマキンポウゲ、ハクサンチドリ、キヌガサソウ、エゾイワハタザオと新手の花々が登場。そして今回の山行のハイライトである姥石平から東焼石岳へのなだらかな稜線を登る。途切れることのないお花畑が山頂(1507m)まで続き、まさに雲上の楽園だ。八重咲のハクザンイチゲやシロバナのミヤマシオガマといった珍種?も登場。 下山は、花々との名残を惜しみつつ、雪渓ではシリセードーなどを楽しみながらもやや急ぎ足で来た道を戻った。途中、上沼の湖畔で登りで見落としたミツガシワを確認した。花の写真撮影に時間を費やしたため、予定時間を1時間半ほど超過したが、無事16時に下山した。
北国の高山植物は雪解けを待ちかねたように早々と咲きそして散る。関東で梅雨入りしたこの時期、快晴に恵まれドンピシャのタイミングで40種近い高嶺の花々を見ることが出来たことは非常にラッキーであった。焼石岳姥石平周辺は花の種類と量の多さで日本屈指のお花畑と言える。登山道も雪渓や渡渉、ゴロ場と変化があって面白く、沼や残雪の山々を望む景色も秀逸である。余りの山の素晴らしさに時間を忘れ、下山予定時間を大幅に超過したことは反省点だが、大変充実した山行であった。
一ノ関まで往復交通費 19,190円、レンタカー&ガソリン&中尊寺駐車場(一人2200円) 宿泊10,800円(一泊2食 朝食はお弁当)
写真をクリックすると大きな写真を表示します。