幌尻岳・十勝岳・大雪山~トムラウシ山縦走 北海道の雄大な山を堪能
2019年7月23日(火)~30日(火)
参加者: 男性4名 女性2名 計6名
幌尻岳
コースタイム
22日(晴) 藤沢6:15=電車=7:13羽田8:20=航空機=9:55新千歳13:30=車=16:00とよぬか山荘泊
23日(晴れ時々曇り)
とよぬか山荘4:00=登山バス=5:00第二ゲート5:17―7:21取水施設7:34―渡渉開始8:25―9:36幌尻山荘10:21―12:00命ノ水12:10―12:50北カール稜線お花畑―14:00幌尻岳14:20―15:51命ノ水―17:15幌尻山荘(泊)
歩行時間11:10 行動時間13:15
24日(曇り時々晴れ)
幌尻山荘6:30―渡渉終了7:41―8:20取水施設8:50―11:03第二ゲート12:00―13:00とよぬか山荘14:00―車―17:30中富良野白銀荘泊
歩行時間 4:30 行動時間 11:00
山行経過
23日
とよぬか山荘を4:00発のバスで出発し、終点の第二ゲートから林道を2:30ダラダラと歩く。取水施設からトラバース道になる。足場の狭い箇所が数カ所あり、むしろ気分が乗ってくる。
額平川の渡渉地点は赤布があり分かりやすい、幸運にも水量は平準の膝程度であった。川床の状況を的確に把握して渡渉位置と方向を見定めることが無難に渡渉するコツかと思う、チョットした位置の違いで難渋しそう。
幌尻山荘に予定時間より早く着く。早めの昼食をとりザックを軽めにして山頂に向かう。同日登頂するか翌日にするかは小屋着の時間と体力が決めてになるようだ。登り4時間下り3時間の標準タイムである。林道歩き、渡渉した後で体にこたえるが、命の水地点は計画より早い通過である。
霧で遠望こそかなわないが、稜線は爽快で咲き乱れる花を眺めながらの歩きは夢み心地である。小屋戻りは17時、3~4組のグループと小屋前のブルーシートで夕食をとる。
24日
夜半の小雨は下山前には上がり、増水は全くない。渡渉は一度経験したので無難にこなす。足場が狭いトラバース道もしっかり進む。薄日の射す林道の長さには少々うんざり気分になる。
第二ゲートから登山バスでとよぬか山荘に戻り、車で中富良野の宿舎に向かう。途中で食料・ビール購入、宿舎のテラスで自炊のジンギスカンで英気を養う。北海道の山旅を愉しみ実感する。増水等に備えて幌尻岳山荘の予備宿泊を予約していたが、嬉しいキャンセルだ。
十勝岳
コースタイム
25日(曇) 白銀荘6:00=車=6:10望岳台登山口6:26―7:33避難小屋―9:38昭和火口―9:59十勝岳10:20―11:18昭和噴火口―12:30雲ノ平分岐―13:10望岳台登山口=車=13:30白銀荘(泊)
山行経過
宿舎の白銀荘からの登山道もあるが、望岳台登山口からの方が短く歩き易いとの宿舎のスタッフの助言を受け、望岳台登山口から登る。火山らしくなだらかな裾は広々としており、大らかさを感じながら避難小屋を過ぎる。昭和火口近くは結構な急登になる、登山道の両側は旧火口である。霧が立ち込め火口底部は見えるが遠望はない。
昭和火口を過ぎたあたりから霧は薄れ、鋸岳などの眺望をはじめ十勝岳の全容を眺められたのは幸いだった。62―Ⅱ噴火口あたりは、火山性ガスの臭気が強く、また噴煙も上がりだしたので、山頂稜線に急いだが特別なことではなかったようである。
登山道は火山独特の溶岩が細かく砕けたものであるが、足場はしっかりしており、遮る樹木が無いので 火口を眺めながら下山する。下山後、車で夕食の材料を買いに行っている頃、強い雨が降り(夕立か?)登山者はずぶぬれになり、宿舎の洗濯場は大繁盛、私たちは幸運のようだ。
大雪山~トムラウシ山
コースタイム
26日 移動日(曇り時々晴れ) 白銀荘8:40―車(青の池・美瑛)―14:30旭岳温泉大雪山白樺荘(泊)
27日 休養日(雨) 雨天のため縦走延期 旭川空港・市街散策 (白樺荘泊)
28日 曇のち晴
白樺荘5:30―6:00ロープウェイ―山頂駅6:20―7:20地獄谷稜線辺7:30―8:19旭岳8:30―9:49間宮岳分岐―10:50北海岳11:00―12:29白雲岳分岐―12:53白雲岳避難小屋(泊)
歩行時間 6:00 行動時間 7:23
29日 晴れ 白雲避難小屋~忠別避難小屋
白雲岳避難小屋5:42―6:52高根ヶ原分岐―7:07立岩稜線7:12―9:01忠別沼―9:51忠別岳10:00―11:06忠別岳避難小屋(泊)
歩行時間 5:00 行動時間 5:24
30日 曇 忠別避難小屋~トムラウシ温泉
忠別岳避難小屋4:00―5:10五色岳5:15―ヒサゴ沼分岐6:19―9:13北沼分岐9:20―9:45トラムウシ山9:50―10:20南沼キャンプ指定地入口10:40―11:59前トム平―12:50コマドリ沢分岐13:05―13::44カムイ天上―15:33温泉コース分岐―16:45トラムウシ温泉登山口―16:58トラムウシ温泉東大雪荘(泊)
歩行時間 12:05 行動時間 13:00
31日 曇
東大雪荘8:45―バス―10:00新得駅10:26―電車―12:12新千歳空港13:15―14:55羽田空港―18:00藤沢駅
山行経過
28日 旭岳~白雲避難小屋
予報ではこの3日間は雨の心配はなさそう。日曜日で花の時期でもあるので、ロープウェイの混雑を恐れ、早めに宿舎を出たため一番のロープウェイに乗った。山頂駅からは濃霧でほとんど眺望はないが、登山道はしっかりと見える。
風も強く、眺望もないので黙々と登る、旭岳山頂は強風のため早々と裏旭キャンプ指定地方向に向かう。ここは雪渓の歩行となるが、幅が広く登山者の踏み跡もなくコースを調べていると逆方向からの登山者があり、コースを確認して進む。
間宮岳分岐あたりから風もなく、霧も上がりはじめ、大雪山の風景が広がっていく。ヒグマに恋する某メンバーの執念か運命か御鉢平のヒグマを発見する。数百メートルの距離があるので安心してしばし見とれる。
北海岳あたりから青空が広がり一面花が咲き乱れる。これが大雪山だと実感する。起伏の少ない稜線を風景や花を堪能しながら白雲岳避難小屋へ向かう。
29日 白雲避難小屋~忠別避難小屋
縦走2日目は稜線から昇る朝日を迎える青空だ。ヒサゴ沼避難小屋は改修工事中で今シーズンは使えないため、忠別岳避難小屋までの短い行程である。好天で行程も短いことが幸いし、風景や花をゆっくり堪能する。
小屋を出るとすぐに一面のお花畑がスレート平辺りまで続く、高根ヶ原分岐辺りは殆ど平坦で広がりのある稜線である。空沼、高原沼などいくつもの沼や白雲岳、忠別岳、五色岳等はもとより大雪の山々が望める。
忠別沼はエゾカンゾウ、ワタスゲに囲まれて静寂な風情である。ここでは、今朝トムラウシ短縮登山口を0:48に出発したという猛者とすれ違う、山も色々、山人も色々…忠別岳を下り、忠別岳避難小屋分岐から小屋に向かうとすぐに雪渓があるが傾斜は緩やかで、ゆっくり歩くともう小屋だ。例年は人影が殆どない小屋だが、今年はヒサゴ沼避難小屋が使用できないため、大繁盛とか。
30日 忠別避難小屋~トムラウシ温泉
縦走3日目は、ロングコースであるため、3:00出発を予定して準備したが霧も濃く視界も良くないため、明るくなり視界も広がった4:00に出発。黙々と歩き五色岳に早く着いたので、後の歩行に精神的な余裕が生じる。この大雪山の縦走では、白雲避難小屋とヒサゴ沼避難小屋泊りが定番のようであるが、今期はこのヒサゴ沼避難小屋が利用できないため、ツアー中止も多いようだ。2つ目のヒサゴ沼分岐を6:19に通過できたので、17時前の下山も予想できる。
霧をとおして花を見ながら日本庭園を過ぎると大石と言うか大岩がゴロゴロと敷かれている、その上を渡り歩く、多様な変化がトムラウシに憧れる要因の一つであろうか。北沼は強い風でさざ波が寄せ返している。
トムラウシ!やっと辿り着いたトムラウシ山頂では想像もしなかった程の感動と喜びを分かち合う。山頂は風が強く、南沼キャンプ指定地まで下り昼食。トムラウシ山から前トム平を経てコマドリ沢分岐までは、気が滅入る程の距離感を覚える。
更に温泉分岐からトムラウシ温泉までは長い長いコースで、いや応なしに大雪の北海道の広さ、奥深さを叩き込まれる。間もなく温泉と地域限定クラシックビールが待つ東大雪荘だ
リーダーの感想
日高の山を大雪山を歩きたい、ならばどのように歩くかと考えた結果が本山行計画です。この計画素案を作成したところ、まさかこのような山行が出来るわけはないと、思わず苦笑いしてしまった。
ところが、コースタイム、事例報告や移動の距離・時間の精査を何度繰り返しても不可能とは思えず、山行実績の豊富な数名に声をかけたところ以外にも乗っていただき実現の運びになった。反省点や教訓を思いつくままに列挙すると、
①いかにも同好会系が思いつくようなこのような計画の当否は未だにわかりません。
②複数のメンバーで、かつ山行知識・経験の豊富な方の参加が不可欠と考えた。
③比較的、長期間でロングコースの場合は、体力など足並みを揃えることは不可欠と考えた。
④全行程を全員が参加しなければならないという考えはなく、部分参加でも良いと考えた。
⑤長期山行又は状況によっては登頂延期が生ずる山行の場合は、予備日は不可欠と考えた。
⑥例外はあろうが、山行は地域の自然や歴史に触れる愉しみのある山旅だと思っている。
⑦リーダーは必ずしも体力や技量が豊かであるわけではなく、メンバーの知識・技量・助言が不可欠であることを再認識し、仲間から多くを学んだ。
北海道で出合った花たち
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