大雪(旭岳・黒岳)・十勝岳・富良野岳 
山行日:23年07月24日~27日
山 名:北海道・大雪(旭岳・黒岳)・十勝岳・富良野岳
区 分:個人
形 態:ハイキング
参加者:4名(男性:2名、女性:2名)
コースタイム
7月24日 曇り・一時雨 旭岳・黒岳
白樺荘6:10ー6:20ロープウェイ6:30=6:30山頂6:45ー9:10旭岳9:20?間宮岳分-11:08荒井岳ー11:30松田ー11:43北海岳ー13:15赤石川渡渉13:30ー13:45黒岳石室14:00ー14:20黒岳ー15:35リフト乗場=15:32ロープウェイ駅15:39=17:30旭川行きバス―旭川泊
7月25日 移動日
7月26日 曇り 十勝岳
白銀荘5:45ー6:45望岳台7:00ー7:50雲ノ平分岐ー8:00避難小屋8:25ー10:40十勝岳11:10ー13:05避難小屋13:20ー14:40白銀荘
27日 曇り・時々雨 富良野岳
白銀荘前バス停9:24―9:35十勝岳温泉登山口(凌雲閣)9:45ー三段山分岐ー10:15安政火口ー10:50カミホロ分岐11:05ー12:45富良野岳分岐ー13:25富良野岳13:55ー14:30富良野岳分岐ー17:00十勝岳温泉登山口(凌雲閣)17:27=17:38白銀荘
24日 行動時間 9:00 歩行時間 7:30 歩行距離 11.8km 累計 上り 1,097m 下り 1,194m 26日 行動時間 9:00 歩行時間 6:50 歩行距離 15.3km 累計 上り 1,283m 下り 1,283m 27日 行動時間 7:20 歩行時間 5:50 歩行距離 9.8km 累計 上り 784m 下り 784m
山行の過程
【24日】花のシーズンにもかかわらず気象条件が思わしくないことであろうか、6時30分の始発ロープウェイは7割程度の乗客である。山頂駅周辺は霧がたちこめている。地獄谷辺りから強風にさらされ、岩陰で休息をとりながら旭岳山頂に至るが、強風に追われるように裏旭キャンプ場方向へ向かう。しばし歩くと雪渓がありここを下ることになる。
大雪(旭岳からトムラウシ山縦走)とは言えこの時期に雪渓を歩くのは少なく、当該裏旭キャンプ場に至る斜面と白雲岳避難小屋に下る登山道(今回は通らない)の二箇所と言うのが前回の体験である。
当該雪渓は、傾斜が緩やかであること、雪渓底部は平らな草地になっており、滑落の恐れがないこと、旭岳から黒岳の主要登山道で踏み跡があることなどからスパイクは持参しなかった。横に居た夫婦登山者は、「踏み跡がない、経験が浅いので断念する」と引き返した。「踏み跡がない」ではなく「踏み跡を探せない」と言うことだ。前日に同年配の方も当該地の踏み跡を登ったと言っていた。
当初、ロープ沿いに踏み跡を捜したが見つからない、前回の記憶が戻り位置が異なっている。足下から目を離し先をみると踏み跡らしき線が浮かび出る、それを近くまで辿ると踏み跡が明瞭になる。踏み跡はしっかりとしており、これを辿って難なく雪渓を下る。
間宮岳分岐辺りから稜線部に出ると再び風が強まり、とりわけ松田岳から北海岳までは強風である。風に飛ばされないように注意しながら北海岳から黒岳への分岐に入ると風下になり、風は全く無い。登山道周辺はお花畑で、撮影が忙しい。
下りきると赤石川に当たる、先日来の雨で水量が増え飛び石が埋没している、靴を脱ぎ渡渉する。深いところでくるぶしより10cm程の深さで流される等の危険性はない、大山や丹沢で経験する渡渉より難しくはないが、途中の雨で服や靴が湿っているなどで靴の着脱が面倒な気分になる。渡渉後は足を丁寧に拭かないとマメの豊作になると経験的に思っているのでそのようにした。
黒岳石室に泊る予定であったが、翌日(25日)の赤岳・銀泉台に向かうには、この渡渉、気象条件、ヒグマのこと等から断念することにして、黒岳を経てリフト・ロープウェイで層雲峡へ下山しバスで旭川に向かった。
【26日】 白銀荘登山道は、望岳台登山道の雲ノ平分岐下で合流するので、この登山道が距離・時間的には合理的であるが、先日来、前夜の雨で途中の富良野川の水量が増え飛び石が埋没している恐れがあるので(宿舎の従業員談もあった。)、一般道4kmを1時間ほど歩き望岳台登山道から登った。
溶岩の広がるなだらかな登りを進むと雲ノ平分岐の近くで白銀荘登山道が合流する。火山独特の山容を眺めながら昭和火口を過ぎると稜線部に出る、風は4~5m程度であろうか。スリバチ火口、グランド火口辺りの緩やかな稜線を進む。
進行方向左側に雪渓を覗うと山頂までの1時間ほどの登りになる。幾分風が強くなるがそれでも7~8mであろうか。
山頂では霧が立ちこめ風景は望めないので下りにかかる。霧の切れ間にグランド火口や前十勝岳が姿を現す。
帰路は白銀荘登山道で下った、登山道の笹などは刈り取られ整備されており歩き易い。
途中で富良野川を渡渉する、幸い飛び石は埋没していないので難なく渡ったが、7時間前の早朝はどうであったろうか?
余談であるが、私たちの後に外国人母親と小・中学生頃の子供二人が渡渉を試みていた。流される等の危険性はないが彼らが渡るまで見守った。
飛び石に乗るか?靴を脱いで、履いたまま水を歩くか?何を学ぶか?子供の頃喜び勇んでジャブジャブ川を歩いたことを想い出す。宿舎はもうすぐだ。
【27日】 行程がそれほど長くないので、9:24の町営バスで白銀荘から十勝岳温泉登山口に向かった。
登山口周辺は舗装されている、緩やかな上りをしばし進み三段山分岐を過ぎると安政火口の下りになる。火山の生々しさ!十勝連山がなお活動している様相を現す。ここを過ぎるとどうやら登山道らしい雰囲気になるが上りは緩やかだ。上ホロ分岐辺りはゴロゴロとした大石を這うように登る、ここを過ぎると花・お花畑が多くなる。
富良野岳分岐からもそれ程の急登ではなく、お花畑が競う様に次々と連なる。山頂でしばし昼食休息をとり下りにかかる。時間的に余裕があるので、花を愉しみながら下る。下山途中で雨が降ったり止んだりの繰り返しで、登山口では一時本降りの様相となったが、バスに乗る頃は止んだ。
リーダーの感想
当初計画は、旭岳からトムラウシ山への大雪縦走であったが、白雲岳避難小屋管理者から同小屋及び高根ヶ原周辺にヒグマが寄りつき離れる気配がない、キャンプ場は閉鎖した、同小屋利用の山行は取り止めるよう勧告があった。縦走は断念して、旭岳~赤岳・銀泉台及びトムラウシ温泉からトムラウシ山ピストンに計画を変更して旭川に飛んだ。
ところが、天候も思わしくなく、断続的な雨と強風、河川の増水のため赤岳(銀泉台)、好天でなければ臨めないトムラウシ山の山行も取りやめざるを得なくなり、気象条件と移動手段及び行程から十勝岳と富良野岳に変更した。
宿舎、移動手段、コースをしばしば変更せざるを得なかったが、メンバーがそれぞれを分担してやりくり出来たのは幸だった。
当初のヒグマ情報で当該山行実施の可否に苦慮しながらも実施したが中止するのが賢明だっかかもしれない。
多くはない私の山行で、これ程の途中変更が度々生じたのは初めての体験である。
それでも北海道の幸にも巡り会え、山行を無事に終えたのは、メンバーの共同作業がもたらしたものである。
旭川到着日と戻り日は青空のまぶしい日でした。

