韓国ソウル近郊の山々(韓国の山に登ろう2023)
山行日:23年10月23日~28日
山 名:海外・韓国ソウル近郊の山々(韓国の山に登ろう2023)
区 分:個人
形 態:ハイキング
参加者:5名(男性:1名、女性:3名、会員外:1名)
コースタイム
韓国ソウル近郊の山々
10/23 羽田920発 金浦1145着 KE2106
10/24 ドボン山:地下鉄1号線ドボン山駅730-800登山口-普門尾根-910ドボン主稜線-(昼食)-1145山頂-1230庭石-1345登山口-ドボン山駅
10/26 プッカン山:地下鉄3号線プルガン駅920=930クキ洞バス停-950クキ探訪支援センター-1130南大門-プッカン山城壁-1240東大門(昼食)-1430アカデミア支援センタ-=スユ駅
10/27 カナク山:新林線カナク山駅730-740カナク山公園-820登山口-1000ヨンジュ台-1010山頂(軽食)1030-サダン尾根-1300サダン登山口-サダン駅
24日歩行時間5時間、行動時間6時間 26日同4時間、5時間 27日同5時間、6時間
山行の過程
10月24日(火)晴 ドボン山(道峰山)
ソウルの北に位置し、アプローチが容易で次々に現れる奇岩を楽しめる山である。
地下鉄1号線ドボン山駅にて韓国の山岳会の方と待合せ、徒歩にて登山口へ向かう。ドボン寺の分岐を左に取り、普門尾根をゆっくりとしたペースで登る。高度が上がるにつれ紅葉の色が濃くなっていくのがわかる。肌で感じる温度は日本とさほど変わらず、時折吹く風が心地良いくらいだ。各所にある休憩地点には、救急用品が入ったポストが設置され、電話をすれば鍵のナンバーを教えてくれる仕組みだ。安全なレジャーとしての山歩きに対する、当局の力の入れようがうかがわれた。牛耳岩を右にドボン尾根を辿る。しばらく歩くと左にオーボン(五峰)が現れる。まるでラクダのコブを五つ並べたような珍奇な光景だ。ここからは奇岩怪石のオンパレードで、写真撮影が忙しい。山頂へは狭く急峻な岩の道を登るが、頑丈な手すりがついているため安全だ。山頂狭いが360度の展望で、周辺の山々やソウルの街並みが一望のもとだ。平日のためか人は少なく、ゆっくりと展望を楽しめた。帰路は南に周回コースを辿った。奇妙な形をした岩や峰が次々と現れ、紅葉とのバランスがなんとも言えずいい感じだ。庭石と呼ばれるだだっ広い一枚岩で一休み。11年ほど前、韓国山岳会の方と初めて出会った場所だ。ソウルの街並みを眺めながら当時と今を振り返った。周回してドボン寺の分岐で往路来た道と合流し、下で待機していた仲間も加わり、打上げのきのこ鍋屋に向かった。
10月26日(木) 曇り プッカン山城(北漢山城)
ドボン山とともにプッカン山国立公園の中心をなす山で、「プッカン山に登る百の道」という本もあるほどソウル市民にとってなじみの深い山である。
地下鉄3号線プルガン駅で山友の韓国人夫妻と待ち合せる。3時過ぎから雨模様とのことで、計画の後半部分の山頂踏破をカットすることとする。クキ洞までバスに乗りクキ探訪支援センターから、クキ渓谷沿いを城壁のある南大門を目指して登る。階段や岩場は少なく、日本の登山路と同様な趣だ。プッカン山城とは、李氏朝鮮時代、首都漢城(ソウル)を敵に追われた際、逃げ込んで砦とするためのプッカン山を取り囲む城壁のことで、八方に内外を通じる門があった。今回は空模様が怪しいため、山頂は目指さず城壁の一部を巡ろうという訳だ。南大門からは、北に向かって城壁に沿って上り下りを繰り返す。真っ赤に色に付いたモミジと、落ち葉を踏みしめる音が心地よい。行く先には城壁が連なり、まるで韓国版の万里の長城かのようだ。城壁や山門は、造られた時代により素材や色が異なっており、あちらこちらで修復を施していた。東大門に至り昼食とする。ここで城壁を離れ、アカデミア探訪支援センターまで下り、バスで打上げのスユ駅へと向かった。
10月27日(金)カナク山(冠岳山) 晴
岳が付く山の名のとおり、山の上部は岩の多い山である。ソウルを流れる大河ハンガン(漢江)の直ぐ南にきれいな山容でそびえたっている。
地下鉄シンリン線カナク山駅で韓国の山岳会の方々と待合せ、カナク山公園内を登山口へと向かう。傍らに流れる渓谷の向こうには名門ソウル大学の校舎が並んでいる。本コースは最近整備されたばかりで、設備も真新しい。急峻な岩場には階段が設置され、どんどんと高度を稼ぐ。ヨンジュ台はまさに絶壁の上に立つ寺で、昔、朝鮮の王様が雨乞いの祈祷をした場所とのこと。山頂には大きな一枚岩があり、電波塔とドームが立っている。飛行機からも確認できる目印だ。復路は北に向け、眼下にソウルカンナム(漢南)の超高層ビル群を眼下に眺めながら稜線を下る。これがソウルだという光景だ。階段や岩山を上り下りして、2時間程でサダン駅に着き、打上のみ参加の仲間も加わり最後の祝杯を挙げた。
リーダーの感想
2013年にソウル赴任から帰国して以来、日本では体験できない、韓国の岩山のすばらしさを山仲間に紹介し、体感させたいと思ってきた。今回、日韓の山仲間の交流という形で実現できたことはうれしい限りである。
この10年の間に、韓国におけるレジャーとしての登山の地位はますます上がり、途中、コロナ禍もあったが、新たなコースや設備はますます整備され、誰でも簡単にそして安全に登山を楽しめるようになっていた。岩山への階段の設置など、国民性の違いもあるのかなと感じるところもあるが、ちょっと地方に足をのばせば、日本と同様、緑や水の豊かな山もたくさんある。変り映えはしないが。
低山とはいえ、4日間に3つの山頂を目指す計画で、体力、気力面での心配もあったが、同行者の頑張りにより安全に異国での山行を完遂できたこと喜ばしい。
会長をはじめ、韓国の山岳会の方々には計画段階からコースの相談をし、下見までしていただき、道迷いの不安なく山行にのぞむことができた。心より感謝したい。
これからも日韓交流を進め、お互いの山を楽しんでいきたい。