丹沢に咲く秋・冬の花 
豊かな自然が残された丹沢の山には四季おりおりにたくさんの花を見付けることができます。秋から冬の登山道に咲く花たちを紹介します。
アキノタムラソウ(秋の田村草) シソ科アキギリ属
秋の登山道に咲くタムラソウ、細い茎を伸ばし小さな青紫の花がたくさん付いています。ピントが合わずなかなか綺麗に撮れない花です。
分布:本州・四国・九州・沖縄
生育地:野山の道端
花期:7から11月、大きさ:20~50m
イワシャジン(岩沙参) キキョウ科ツリガネニンジン属
雷ノ峰尾根の展望台へと向かい登山道わきにイワシャジンを見付けました。釣鐘型の青紫の花が細い茎の先に垂れ下がっています。
分布:本州(関東~中部)
生育地:山地の湿った岩場
花期:9~10月、大きさ:30~70cm
オトコエシ(男郎花) オミナエシ科オミナエシ属
秋の花としてお馴染みのオミナエシは黄色い花、これに対して白い花を付け少し大きいことからオトコエシの名が付けられました。
分布:北海道・本州・四国・九州
生育地:やや日当たりのよい山野
花期:8~10月、大きさ:50~100cm
ガンクビソウ(雁首草) キク科ガンクビソウ属
枝先の黄色い頭花をキセルの雁首に見立てガンクビソウの名前が付けられました。
分布:本州・四国・九州
生育地:山地の木陰や山道
花期:6~10月、大きさ:50~100cm
キッコウハグマ(亀甲白熊) キク科モミジハグマ属
大倉尾根の登山道わきにキッコウハグマを見付けました。葉は5角形でこの形から亀甲の名が付いてのでしょう。頭花は3個の花が融合したものです。
分布:本州・四国・九州
生育地:山地の乾いた木陰
花期:9~10月、大きさ:10~30cm
キツネノカミソリ(狐の剃刀) ヒガンバナ科ヒガンバナ属
見晴らし茶屋に向かう登山道にキツネノカミソリがに朱色の花を付けていました。葉の形がカミソリに似ていることから付けられた名前ですが、花の時期には葉は枯れ見えないようです。
分布:本州・四国・九州
生育地:野山
花期:8~9月、大きさ:30~50cm
コウヤボウキ(高野箒) キク科コウヤボウキ属
秋の野山で普通に見られるコウヤボウキ、細い枝先に白い花を一つ付けます。花後は冠毛が付いた実を付けます。
分布:本州(関東以西)・四国・九州
生育地:山地の日当たりのよい所
花期:9~10月、大きさ:60~100cm
サガミジョウロウホトトギス(相模上臈杜鵑草) ユリ科ホトトギス属
丹沢山地の沢沿いに咲く黄色いホトトギス。岩場から垂れ下がり釣鐘状の黄色い花を付けます。花の内面には赤紫色の斑点が多数あります。その高貴さから丹沢の貴婦人と呼ばれています。
山野草ブームによる乱獲で激減し環境省の絶滅危惧IB類(EN)に分類されています。
分布:本州(丹沢山地の一部に分布)
生育地:沢沿いの岩場
花期:8月下旬~9月中旬、大きさ:30~60cm
シロバナイナモリソウ(白花稲森草) アカネ科イナモリソウ属
目立たない白い花はシロバナイナモリソウとか、三重県の菰野山の稲守谷で最初に見つかったのでこの名前がついています。
分布:本州(関東から近畿)
生育地:山地の林縁など
花期:6~7月、大きさ:15~20cm
シロヨメナ(白嫁菜) キク科シオン属
登山道わきにシロヨメナが咲いています。関東地方で秋に咲く白い野菊はシロヨメナ、シロヤマギク、リュウノウギクなど。シロヨメナの葉は披針形で薄くざらつかない、裏に3本の脈が目立つのが特徴。ノギクもまた見分けるのが難しい花の一つです。
分布:本州・四国・九州
生育地:山野
花期:8~11月、大きさ:1.5~2m
センブリ(千振) リンドウ科センブリ属
日当たりの良い登山道わきにセンブリの白い花が咲いていました。強い苦みがあり健胃薬として利用されています。千回降り出しても苦いことからこの名が付いたと言われています。
分布:北海道(西部)・本州・四国・九州
生育地:日当たりのよい草地
花期:9~11月、大きさ:20~25cm
タイアザミ(大薊) キク科アザミ属
山に咲くアザミは見分け方が難しいものです。タイアザミは関東地方の野山で普通に見られらアザミです。
根生葉は夏季には枯れている、葉は細長い楕円形で切れ込みが深く太いとげがある。総苞片は水平に開くか反転することが見分けるポイントと言います。大倉尾根にはホソエノアザミやその混雑種を見付けることができます。
分布:本州(関東北部から中部北部)
生育地:平地・丘陵地・山地の河原・野原
花期:9~11月、大きさ:1~2cm
別名:トネアザミ(利根薊)
チジミササ(縮み笹) イネ科チジミザサ属
山地や道端で普通に見られる笹に似た葉、葉の表面にやや縮んだ皺があることからチジミザサの名前が付けられました。秋に先端に小穂をだし小さな花を付けます。
分布:北海道・本州・四国・九州
生育地:山地や道端
花期:8~11月、大きさ:30~40cm
マツカゼソウ(松風草) ミカン科マツカゼソウ属
秋の大倉尾根を彩る花の一つ、秋風に吹かれる姿からマツカゼの名が付いたとされています。
本州(宮城以南)・四国・九州
生育地:山地の林内
花期:8~10月、大きさ:80~100cm
フジアザミ(富士薊) キク科アザミ属
大倉尾根の登山道わきに大きな花を付けるフジアザミが咲いています。富士山の周辺に多いことから名付けられたアザミです。
分布:本州(関東・中部)
生育地:山地の礫地
花期:8~10月、大きさ:70~100cm
フトボナギナタコウジュ(太穂薙刀香需) シソ科ナギナタコウジュ属
登山道わきに咲く紫色の花はフトボナギナタコウジュ、ナギナタコウジュに似ているが全体に直立する傾向が高く、花穂や葉が大きいと言います。
分布:本州(関東以西)・四国・九州
生育地:山地の道端
花期:9~10月、大きさ:30~60cm
ホソエノアザミ(細柄野薊) キク科アザミ属
金冷やしから塔ノ岳へと登って行く登山道にホソエノアザミが咲いています。頭花に長い柄がある。総包はやや長い筒型で総包片が反る。葉の棘が開出するのが特徴。
分布:本州(関東,中部地方東部)
生育地:山地の林縁など
花期:9~10月、大きさ:20~100cm
ホトトギス(杜鵑) ユリ科ホトトギス属
花は葉腋に付き斜め上向きに開きます。花被片は6個、白色に紫色の斑点が多数あり下部に黄色の斑点があります。花弁にある紫色の斑紋がホトトギス(小鳥)の胸の斑紋と似ていることから名付けられました。
分布:北海道(南西部)・本州(関東以西)・四国・九州
生育地:山地の崖など湿った場所
花期:8月?10月、大きさ:50?100cm
マルバタケブキ(丸葉岳蕗) キク科メタカラコウ属
大きな腎円形の葉を持つ黄色い花は遠くからも良く目立ちます。黒紫色の大きな総苞が特徴です。根生葉は長い柄がある腎円形でふきの葉に似ています。
分布:本州(中部以北)・四国
生育地:深山のやや湿った草地や林縁
花期:7~8月、大きさ:40~120cm
別名:マルバノチョウリョウソウ
マユミ(檀) ニシキギ科ニシキギ属
淡紅色の実が枝先を真っ赤に彩るマユミ、秋の大倉尾根の登山道でも彼方此方にマユミを見付けることができます。初夏に咲く花は緑白色の小さな花であまり目立ちません。
分布:北海道(南部)・本州・四国・九州・琉球
生育地:丘陵地・山地下部の暖帯から温帯
花期:5~6月、大きさ:3~5m
別名:ヤマニシキギ
ミズヒキ(水引) タデ科ミズヒキ属
細い花茎の先に赤い花をまばらに付けます。祝儀に使われるミズヒキに似ていることから付けられたと言います。
分布:北海道・本州・四国・九州
生育地:山地の林内や道端
花期:8~11月、大きさ:40~80cm
ヤクシソウ(薬師草) キク科ニガナ属
秋に咲くニガナの仲間、葉などを傷付けると乳液が出ることからチチクサとも呼ばれています。
分布:北海道・本州・四国・九州
生育地:日当たりのよい野山
花期:8~11月、大きさ:30~100cm
別名:チチクサ
ヤブラン(薮蘭) ユリ科ヤブラン属
茎の先に薄紫色の小さな花がたくさん付いていました。花が無ければあまり目立ちません。
分布:本州・四国・九州・琉球
生育地:山野の木陰など
花期:8~10月、大きさ:30~60cm
ヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草) ユリ科ホトトギス属
秋の山を彩るホトトギス、花の模様をホトトギスの花に見立てて名付けたと言います。なんとも面白い花の形と模様から園芸種として庭先にも栽培されています。
分布:北海道(南西部)・本州・四国・九州
生育地:山地の少し湿った林内
花期:8~9月、大きさ:30~60cm
リンドウ(竜胆) リンドウ科リンドウ属
リンドウもまた秋を代表する花の一つです。鎌倉市の市章はササリンドウ、鎌倉幕府を樹立した源頼朝の家紋としても有名です。
分布:本州・四国・九州・奄美
生育地:平地・丘陵地
花期:9~11月、大きさ:20~80cm
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