三浦・鎌倉に咲く花
都心に近い三浦半島や鎌倉の郊外にもまだ豊かな自然が残っています。大楠山や三浦アルプス、鎌倉アルプス周辺に咲く花を集めてみました。
ウラシマソウ(浦島草) サトイモ科テンナンショウ属
仏炎苞の先から浦島太郎が釣り糸を垂らしたように紐のようなものが伸びるのが特徴。大楠山周辺ではごく普通に見られるマムシグサの仲間です。
分布:北海道(日高・南部)・本州・四国・九州
生育地:山野の木陰
花期:4月~5月、高さ:30~60cm
オオハナワラビ(大花蕨) ハナヤスリ科ハナワラビ属
夏は枯れる冬緑性のシダ植物。秋に葉を出し同時に花のような胞子葉を伸ばします。栄養葉は3回羽状に深裂しやや厚く草質、縁は鋭鋸歯がある。フユノハナワラビに似ているが小羽片が尖り茎に毛がたくさんある。
分布:本州(東北南部以南)・四国・九州
生育地:山地の林内
大きさ:30~50cm
別名:ムコナ
オオバジャノヒゲ(大葉蛇の髭) ユリ科ジャノヒケ属
線形の葉を竜の髭にたとえたもの、花茎の先に白い6弁の花を下向きに付けます。
分布:本州・四国・九州
生育地:低山の林内
花期:6~8月、大きさ:20~30cm
カワヅザクラ(河津桜) バラ科サクラ属
静岡県賀茂郡河津町で発見された桜、オオシマザクラとカンヒザクラの自然交雑種と言います。早咲きの桜で花期が約1ヶ月間と長いことも特徴です。
分布:園芸品種
生育地:道端・公園など
花期:1月下旬~3月上旬
ゲンノショウコ(現の証拠) フウロウ科フウロウ属
森戸川林道の草原にゲンノショウコの白い花が咲いています。江戸時代から民間薬として用いられ干し煎じて下痢止めや胃薬として使用されています。
分布:北海道・本州・四国・九州
生育地:日当たりのよい山野
花期:8~10月、大きさ:30~50cm
別名:ミコシグサ(御輿草)
シラヤマギク(白山菊) キク科キオン属
ヤマシロギクによく似ていてまばらに花を付けます。舌状花は6枚ほどと少なく花弁が抜けたように見るのが特徴。
分布:北海道・本州・四国・九州
生育地:山地の日当たりのよい林縁
花期:8~10月、大きさ:1~1.5m
別名:ムコナ
スイセン(水仙) ヒガンバナ科スイセン属
花壇や公園などにも栽培されています。三浦半島周辺の山道にも早春の光を浴びスイセンの花が咲いていました。ます。
分布:本州(関東以西)・四国・九州
生育地:平地・丘陵地の海岸
花期:12月~2月、高さ:20~40cm
タシロラン(田代蘭) ラン科トラキチラン属
オニクやギンリョウソウなどと同じ腐生植物です。全体に白黄色を帯び茎先に淡茶褐色の花を付けます。
分布:本州(関東南部)・四国・九州
生育地:常緑広葉樹や杉林の林床
花期:6~7月、大きさ:15~40cm
ツリフネソウ(釣船草) ツリフネソウ科ツリフネソウ属
森戸川林道の草原にツリフネソウが咲いています。帆掛け船を吊るしたような赤い花を茎先に付けることからツリフネソウの名が付けられました。
分布:北海道・本州・四国・九州
生育地:山野の林内や沢沿い
花期:7~9月、大きさ:40~80cm
別名:ムラサキツリフネ
ナツノタムラソウ(夏の田村草) シソ科アキギリ属
夏に咲くタムラソと言うことで名付けられましたがアキノタムラソウも7月頃から咲き始めます。花の色は淡紫色で2本の雄しべが花より長く突き出すのが特徴と言います。
分布:本州(神奈川~近畿の太平洋側)
生育地:山地の林内など
花期:6~8月、大きさ:20~50cm
マユミ(檀) ニシキギ科ニシキギ属
三浦アルプスの稜線にもマユミの赤い実を見付けることができます。
分布:北海道(南部)・本州・四国・九州・琉球
生育地:丘陵地・山地下部の暖帯から温帯
花期:5~6月、大きさ:3~5m
別名:ヤマニシキギ
ヤマトリカブト(山鳥兜) キンポウゲ科トリカブト属
トリカブトは見分けるのが難しい花の一つです。分布や生育地、葉、茎、花の形状、毛の有無などにより同定することになります。葉は互生し掌状に3から5中裂し切れ込みが浅い、本州中部の太平洋側に分布することなどからヤマトリカブトでしょう。
分布:本州(関東から中部)
生育地:山地の林下や林縁
花期:9~11月、大きさ:80~150cm
ヤブツバキ(藪椿) ツバキ科ツバキ属
三浦アルプスの稜線はこの時期真っ赤なツバキの花に彩られます。花弁と雄しべが合着しているため、一枚ずつ散らずに花全体がボトリと落ちます。
分布:本州・四国・九州・琉球
生育地:庭園樹や公園樹など
花期:12~4月、大きさ:10~15m
別名:タイワンヤマツバキ、ツバキ、ホウザンツバキ、ヤマツバキ
オニユリ(鬼百合) ユリ科ユリ属
葉は披針形で全縁。茎は暗紫色で直立する。葉脇にムカゴを付ける。
分布:北海道・本州・四国・九州
生育地:道ばた・林の縁・原野
花期:7~8月
ガクアジサ(額紫陽花) アジサイ科アジサイ属
日本に自生するアジサイの原種で、栽培品種のもとになったものです。関東南部の海岸に自生する。両性花の渕に装飾花付けます。
自生するアジサイにはガクアジサイのほかヤマアジサイやエゾアジサイ、コアジサイがあります。エゾアジサイは北海道や日本海側の豪雪地帯、ヤマアジサイは福島南部以南の太平洋側、コアジサイは両性花だけのアジサイです。
分布:本州(房総・三浦半島・伊豆・小笠原)
生育地:平地・丘陵地の沿海地の林下・林縁
花期:6~7月
ツルナ(蔓菜) ハマミズナ科ツルナ属
葉は厚く三角状で互生します。葉の付け根から黄色い小さな花を付けます。若葉は食用になります。
分布:北海道(西南部)・本州・四国・九州
生育地:太平洋側の海岸の砂地
花期:6~9月
トウオオバコ(唐大葉子) オオバコ科オオバコ属
全体にオオバコより大型。葉はやや厚めの革質です。
分布:本州・九州
生育地:日当たりの良い海岸
花期:7~8月
ノカンゾウ(野萱草) ユリ科ワシレグサ属
野原や川岸の少し湿ったところに咲きます。花は濃い黄橙色の6弁花、花弁の中央に黄白色の筋が入る。葉は細い線形。
分布:本州・四国・九州
生育地:野原や川岸
花期:6~8月
別名:ベニカンゾウ
ハマエノコロ(浜狗尾草) イネ科エノコログサ属
海岸の砂丘や海浜に近い草原、路傍に生育する。エノコログサの海岸型の変種です。
分布:北海道・本州・四国・九州
生育地:海岸の砂地や崖など
花期:7~8月
ハマカンゾウ(浜甘草) ユリ科ワスレグサ属
花茎の先に3~6個、橙赤色で色の濃い花を付けます。花は1日花です。
分布:本州(関東以西)・四国・九州
生育地:海岸の崖地や急傾斜地
花期:7~10月
ハマグルマ(浜車) キク科ハマグルマ属
浜辺に咲く花が車状に見えることから名付けられたものです。
分布:本州・四国・九州
生育地:海岸の砂地や崖など
花期:7~10月
ハマゴウ(浜栲) シソ科ハマゴウ属
茎には4つの稜がある、葉は対生して広卵形または楕円形で縁が全縁、裏面は灰白色です。
分布:本州・四国・九州
生育地:岸の砂地
花期:7~9月
ハマナデシコ(浜撫子) ナデシコ科ナデシコ属
葉は狭卵形で光沢があり対生します。花は紅赤色の5弁花、花弁の先は細裂しない。
分布:本州・四国・九州
生育地:海岸の崖地や砂浜
花期:7~10月
ボタンボウフウ(牡丹防風) セリ科カワラボウフウ属
葉が厚く青白色で牡丹の葉に似ている。風邪薬に利用される。
分布:本州(関東以西)・四国・九州
生育地:海岸
花期:7~9月
別名:チョウメイソウ
ラセイタソウ(羅背板草) イラクサ科カラムシ属
葉は厚く細かな皺があり毛が生えざらつく、花序はヤブマオに比べ短いのが特徴。
分布:帰化植物
生育地:海岸や崖などに生える
花期:7~11月
イヌトウバナ(犬塔花) シソ科トウバナ属
花茎の先に白みを帯びた白い花を付けます。萼に長い毛があること花弁の下唇の中央裂片が大きいことが特徴です。
分布:北海道・本州・四国・九州
生育地:山地の木陰
花期:8~10月
オニシバリ(鬼縛り) ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属
鎌倉アルプスから円海山へと続くハイキングコスはたくさんお人が訪れる散策路です。春先に黄色い花を付けるオニシバリ、枝を折ってもちぎれないことからオニシバリの名が付いたと言われています。
分布:本州(福島以西)・四国・九州(中部以北)
生育地:シイ・カシ帯の丘陵、山地
花期:2~4月、大きさ:100cm
別名:ナツボウズ
オニヤブマオ(鬼藪苧麻) イラクサ科カラムシ属
藪苧麻に似ているが葉が大きく対生、質が厚く葉脈が深い。
分布:北海道・本州・四国・九州
生育地:海岸近くの原野や低山の渓流の渕
花期:8~10月
オニユリ(鬼百合) ユリ科ユリ属
葉は披針形で全縁。茎は暗紫色で直立する。葉脇にムカゴを付ける。
分布:北海道・本州・四国・九州
生育地:道ばた・林の縁・原野
花期:7~8月
カントウヨメナ(関東嫁菜) キク科ヨメナ属
花は淡紫色が多い。葉はやや厚く光沢がない。冠毛はごく短いのが特徴。
分布:本州(関東以北)
生育地:田や川べりなど
花期:7~10月、大きさ:50~100m
クサレダマ(草連玉) サクラソウ科オカトラノオ属
湿原の周辺や沼沢地に生育する多年草。熱帯に広く栽培されているレダマに似ており草であることから名付けられました。
分布:北海道・本州・九州
生育地:低地の日当たりのよい湿地
花期:7~8月
サラシナショウマ(晒菜升麻) キンポウゲ科サラシナショウマ属
茎頂に穂状に白色の花を多数付けます。若葉を茹でて水にさらして食べたことからサラシナの名前が付けられた。
分布:北海道・本州・四国・九州
生育地:山地の林内
花期:8~10月、大きさ:60~120m
スイカズラ(吸葛) スイカズラ科スイカズラ属
本性つる植物で花の下部から蜜を出すのでスイカズラの名が付けられました。受粉すると花の色が黄色に変わると言います。
分布:北海道・本州・四国・九州
生育地:
花期:5~6月
タマアジサイ(玉紫陽花) アジサイ科アジサイ属
最初は丸い総包に包まれていることからタマアジサイの名があります。
分布:本州(福島以南?中部)
生育地:山地の渓流沿い
花期:7~9月
ナツノタムラソウ(夏の田村草) シソ科アキギリ属
夏に咲くタムラソウです。花の色は淡紫色で2本の雄しべが花より長く突き出すのが特徴。
分布:本州(神奈川?近畿の太平洋側)
生育地:山地の林内など
花期:6~8月
ニガクサ(苦草) シソ科ニガクサ属
本性つる植物で花の下部から蜜を出すのでスイカズラの名が付けられました。受粉すると花の色が黄色に変わると言います。
分布:北海道・本州・四国・九州
生育地:山野のやや湿った半日陰
花期:7~8月
ハエドクソウ(蝿毒草) ハエドクソウ科ハエドクソウ属
全草を煮詰めてハエ取り紙を作ったことから名付けられました。葉脇ら茎先から長い穂状の花序を出し小さな白色の花を疎らに付けます。
分布:北海道・本州・四国・九州
生育地:林内や林縁
花期:7~8月
別名:ハエトリソウ
ヒナタイノコズチ(日向猪子槌) ヒユ科イノコズチ属
人の衣服や獣の体に付着するひっつき虫の一つです。茎は紫褐色を帯び全体に毛が多く生えるのが特徴。
分布:本州・四国・九州
生育地:日当たりの良い原野や路傍など
花期:8~9月、大きさ:30~60m
ヒメヒオウギスイセン(檜扇水仙) アヤメ科クロコスミア属
南アフリカ原産地の帰化植物。旺盛な繁殖力により各地で野生化しています。
分布:帰化植物
生育地:庭植え、草地
花期:7~8月
別名:モントブレチア
マルバウツギ(丸葉空木) アジサイ科ウツギ属
葉は対生し丸みを帯びる。花序の下の葉に柄がないのが特徴です。
分布:本州(関東以西)・四国・九州
生育地:林縁、雑木林、崖など
花期:4~5月、大きさ:1~2m
別名:ツクシウツギ
メマツヨイグサ(雌待宵草) アカバナ科マツヨイグサ属
花の咲き殻は黄色。葉は互生し披針形、鋸歯はない。茎には上向きの毛がある。
分布:帰化植物
生育地:道端や荒れ地
花期:6~9月
別名:アレチマツヨイグサ
ヤマユリ(山百合) ユリ科ユリ属
日本特産の大型の百合で山に咲くことが多いので山百合と名付けられた。大きな花と強い芳香があることが特徴で百合の王様とも呼ばれている。
分布:本州(近畿以北)
生育地:山の草原や広場・道端など
花期:7~8月
別名:ヨシノユリ、エイザンユリ、ホウライジユリ
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