フォッサマグナ要素の花
豊かな自然が残された丹沢の山にはたくさんの希少植物があります。フォッサマグナは糸魚川静岡構造線と柏崎千葉構造線に囲まれた地域です
フォッサマグナが形成されたのちフィリピン海プレートに乗って北上した火山島などが衝突し、伊豆半島や丹沢山塊や富士山などを生成したとされています。
山梨県、静岡県東部、神奈川県西部地域にはフォッサマグナ要素と呼ばれる固有の植物が多く見られると言います。このことから丹沢や箱根などの山々にも貴重な希少植物が多く分布しています。
フォッサマグナ要素の植物
アシタカツツジ、アゼトウナ、アマギツツジ、イズカニコウモリ、イズドコロ、イズノシマダイモンジソウ、イソギク、イヌセンブリ、イヌヤマハッカ、イワニンジン、イワシャジン、ウメウツギ、オオイワインチン、オオシマカンスゲ、オオシマザクラ、オオシマツツジ、オオバヤシャブシ、オトメアオイ、ガクアジサイ、カナウツギ、カワラノギク、カントウカンアオイ、キントキヒゴタイ、キンレイカ、クゲヌマラン、コイワザクラ、コウウシマヤマツツジ、コオトギリ、コキンレイカ、サガミジョウロウホトトギス、サクユリ、サクラガンピ、サンショウバラ、シオギク、シマウチワドコロ、シマキンレイカ、シマコゴメウツギ、シマタヌキラン、シマテンナンショウ、シマノカリヤス、シマホタルブクロ、ズソウカンアオイ、スルガジョウロウホトトギス、ソレナセンブリ、タカオヒゴタイ、タテヤマギク、タマノカンアオイ、タンザワイケマ、タンザワウマノスズクサ、タンザワヒゴタイ、チョウジコメツツジ、ニオイエビネ、ニオイウツギ、ハコネイトスゲ、ハコネウツギ、ハコネギク、ハコネグミ、ハコネコメツツジ、ハコネトリカブト、ハコネシロカネソウ、ハコネハナヒリノキ、ハコネラン、ハシナガカンスゲ、ハチジョウグワ、ハチジョウショウマ、ハチジョウススキ、ハチジョウテンナンショウ、ハナチダケサシ、ハマカキラン、ハンカイシオガマ、ヒトツナショウマ、ヒメスミレサイシン、ビランジ、フジアカショウマ、フジアザミ、ベニバナツクバネウツギ、ホソエノアザミ、マツノハマンネングサ、マメザクラ、ムカゴネコノメ、ムラサキツリガネニンジン、ヤハズヒゴタイ、ヤマトリカブト、ヤブザクラ、ユキヨモギ、ラセイタタマアジサイ、ランヨウアオイ、ワダン
「フォッサマグナ要素の植物」神奈川県生命の星・地球博物館より
オトメアオイ(乙女葵) ウマノスズクサ科カンアオイ属
生育:伊豆半島周辺・神奈川県・山梨県
花期:5月~8月
カントウカンアオイ(関東寒葵) ウマノスズクサ科カンアオイ属
生育:本州(関東?近畿)、山地や森林
花期:10月~2月
草丈:10cm
別名:カンアオイ
ズソウカンアオイ ウマノスズクサ科カンアオイ属
生育:本州(神奈川、静岡)、山地の林下に見られる
花期:10月~11月
草丈:10cm
ヒトツバショウマ(一葉升麻) ユキノシタ科チダケサシ属
生育:本州(神奈川、静岡)、渓谷沿いのやや湿った岩上
花期:6月~8月
草丈:20cm
ランヨウアオイ(乱葉葵) ウマノスズクサ科カンアオイ属
生育:青森、関東南西部、静岡、山梨
花期:3月~5月
草丈:5~15cm
オオシマザクラ(大島桜) バラ科サクラ属
生育:本州(神奈川・伊豆・房総)
花期:3月下旬~5月上旬
高さ:10~15m
コイワザクラ(小岩桜) サクラソウ科サクラソウ属
生育:本州(関東西南部・中部・紀伊)、山地の岩場
花期:5月
高さ:5~10cm
サンショウバラ(山椒薔薇) バラ科バラ属
生育:本州(富士箱根周辺)
花期:5~6月
高さ:5m
チョウジコメツツジ(丁字米躑躅) ツツジ科ツツジ属
生育:本州(中部~北部)、亜高山帯から高山帯の砂礫地
花期:7~8月
高さ:10~50cm
ハコネウツギ(箱根空木) スイカズラ科タニウツギ属
生育:北海道(南部)・本州・四国・九州、海岸付近に自生
花期:5~6月
高さ:4~5m
別名:ベニウツギ
フジアザミ(富士薊) キク科アザミ属
生育:本州(関東・中部)、山地の礫地
花期:8~10月
高さ:70cm~100cm
ホソエノアザミ(細柄野薊) キク科アザミ属
生育:本州(関東・中部地方東部)、山地の林縁
花期:9~10月
高さ:20cm~100cm
ビランジ ナデシコ科マンテマ属
生育:本州(関東・中部)、山地から亜高山帯の岩礫地
花期:7~9月
高さ:10cm~30cm
マメザクラ(豆桜) バラ科サクラ属
生育:本州(関東、中部の太平洋側)
花期:3月下旬~4月上旬
高さ:3~8m
タカオヒゴタイ(高尾平江帯) キク科トウヒレン属
生育:本州(東京・神奈川)、山地の林下
花期:9~10月
高さ:30~60cm
特徴:根生葉や下部の葉はバイオリン形、頭花は淡赤紫で総包は鐘形
イワシャジン(岩沙参) キキョウ科ツリガネニンジン属
生育:本州(関東~中部)、山地の湿った岩場
花期:9~10月
高さ:30~70cm
特徴:紫色または白色の釣鐘型で垂れ下がる、花冠の先は5裂する。
イヌヤマハッカ(犬山薄荷) シソ科ヤマハッカ属
生育:本州(関東西南部?中部東南部)、ブナの林縁
花期:9~10月
高さ:20~80cm
特徴:青紫色の筒状花を付け上唇は3裂する。上唇に斑点はない。
アシタカツツジ(愛鷹躑躅) ツツジ科ツツジ属
生育:本州(愛鷹山・天子岳)
花期:5~6月
高さ:2~3m
特徴:花は赤紫色で小さい、おしべは10本。葉は5枚のものが多い。
ヤマトリカブト(山鳥兜) キンポウゲ科トリカブト属
生育:本州(関東~中部)、山地の林下や林縁
花期:9~11月
高さ:80~150cm
特徴:葉は互生し掌状に3~5中裂し切れ込みが浅い、花の頃は茎が垂れ下がる、本州中部の太平洋側に分布。
ベニバナノツクバネウツギ(紅花衝羽根空木) スイカズラ科ベニコツクバネウツギ属
生育:本州(関東・中部)、やや高い山地
花期:5月
高さ:2~5m
特徴:枝の先端に赤い筒状釣鐘型の花を2つず付けます。尖端は5裂し内側に赤い斑点があります。
ハンカイシオガマ(樊噌塩竈) ゴマノハグサ科シオガマギク属
生育:本州(関東・東海)、山地の草原、林縁の湿ったところ
花期:8~9月
高さ:30~90cm
特徴:シオガマギク属の中では大型の種類
タテヤマギク(立山菊) キク科シオン属
生育:本州(関東・中部)、山地の林内
花期:8~9月
高さ:30~50cm
特徴:花はまばらに付く、葉は長い柄があり卵円形で先がとがる。
イソギク(磯菊) キク科キク属
生育:本州(千葉・静岡)、海岸の崖地
花期:10~11月
高さ:30~50cm
特徴:花は筒状花のみで舌状花はない。園芸品種も各地で栽培されており庭植えや鉢植えされています。
イワニンジン(岩人参) セリ科シシウド属
生育:本州(関東~中部)、山地の岩礫地
花期:8~9月
高さ:30~120cm
特徴:葉は1~2回3出羽状複葉、小葉は卵形~広卵形、茎先に緑白色~紫泊色の小さな花を多数付ける。
キントキヒゴタイ(金時平江帯) キク科トウヒレン属
生育:本州(神奈川箱根)、山地の草原や林縁
花期:9~10月
高さ:30~90cm
別名:センゴクヒゴタイ
特徴:総苞片が反り返り総苞にくも毛が生えるのが特徴
キンレイカ(金鈴花) オミナエシ科オミナエシ属
生育:本州(関東以西)・四国・九州、林内や岩場
花期:7~8月
高さ:20~60cm
特徴:オミナエシに似ていますが夏に咲き小さいのが特徴です。
サクラガンピ(桜岩菲) チンチョウゲ科ガンピ属
生育:本州(伊豆・箱根)、山地
花期:8~9月
高さ:1~2m
特徴:花弁はなく淡緑色の萼筒が細長く伸び先端は4裂して花弁状になります。
ハコネハナヒリノキ(箱根鼻嚏の木) ツツジ科イワナンテン属
生育:北海道・本州(和歌山、奈良、京都以北)、岩場やがれた礫地
花期:7~8月
高さ:50cm
別名:ウシコロシ
特徴:鼻に入ると嚔(くしゃみ)が出たのでこの名が付きました。
コオトギリ(小弟切) オトギリソウ科オトギリソウ属
生育:本州(伊豆・箱根)、日当たりのいい岩場
花期:7~8月
高さ:10~30cm
別名:クロテンコオトギリ、ハコネオトギリ
特徴:葉は線状倒披針形~広披針形で明点がありさらに少数の黒点がまじることがある。縁に黒点がありさらに明点がまじることが多い。