朝日岳・栂海新道
山行日:23年07月14日~17日
山 名:北アルプス・朝日岳・栂海新道
区 分:募集
形 態:縦走
参加者:4名(男性:2名、女性:2名)
コースタイム
天気 7月15日:曇り、7月16日:曇り時々晴れ、7月17日:曇りのち晴れ
7/14:13:00平塚駅南口=圏央道・関越道・上信越道=18:00糸魚川のホテル(前泊)
7/15:ホテル4:30=糸魚川駅P4:40=(タクシー)=5:55蓮華温泉6:10-6:50兵馬ノ平⑩-⑩⑩-11:00花園三角点11:25(昼食)-⑩⑤-14:15吹上ノコル⑩-15:05朝日岳⑩-15:55朝日小屋(泊)
7/16:朝日小屋4:55-5:55朝日岳-6:30吹上ノコル⑩-⑩-8:25アヤメ平⑩-10:00黒岩平⑩-10:50黒岩山(昼食)11:10-12:40サワガニ山⑩-13:45北俣ノ水場14:00-14:50犬ヶ岳-15:00栂海山荘(泊、自炊)
7/17:栂海山荘4:20-5:30黄連山⑩-6:25菊石山⑩-7:15下駒ケ岳⑩-8:40白鳥山9:10-10:20シキ割の水(昼食)10:40-11:50坂田峠⑩-12:50尻高山⑩-13:45二本松峠⑤-14:05入道山⑩-15:20栂海新道登山口(親不知観光ホテル)⑩-15:40日本海-ホテル16:20=(タクシー)=16:45糸魚川駅P17:00=17:10ひすいの湯(入浴)18:10=22:55平塚駅
7/15:行動9時間45分、歩行8時間15分、7/16:行動10時間5分、歩行8時間40分、7/17:行動11時間20分、歩行9時間5分
山行の過程
7/15:蓮華温泉(1470m)をスタートして兵馬ノ平を経由し瀬戸川(1160m)まで、何とまず300mの下りである。そこから2418mの朝日岳山頂まで標高差1300m弱を黙々と登る。樹林帯のカモシカ坂を抜けると辺りは高層湿原となり木道歩きとなる。花園三角点から五輪高原では多くの花々が目を楽しませてくれる。2000mを過ぎると礫地となりシナノキンバイなど本格的な高山植物が咲き乱れる。2200mの吹上げのコルから山頂までは強風にさらされる風衝地。ウルップソウやクモマスミレの花は終わっていた。この日も15m近い強風で立っているのがやっと。山頂での記念撮影もそこそこに250m下の朝日小屋へと下り、予定通り16時に到着した。
7/16:5時前に小屋を出発して、朝日岳に登り返す。山頂から吹上げのコルまではやはり強風だが、昨日程ではない。いよいよ栂海新道に踏み入る。霧の中の幻想的な照葉ノ池を越えて大きな雪渓に出会う。雪渓の下部が急斜面なので、途中から雪渓の外に出て草地を灌木につかまりながら下る。下ったところがアヤメ平でここも花が多い。さらに美しい沼のほとりを過ぎるとドーンと視界が開けて黒岩平の中層湿原が広がる。少し登った黒岩山(1624m)で昼食とする。山頂からは、これから歩むサワガニ山(1612m)、犬ヶ岳(1593m)の長い稜線が見渡せる。台形をした犬ヶ岳の右肩に栂海山荘の赤い屋根が小さく見える。つまりここから先、栂海山荘までは全体としてほとんど高度を下げずに稜線のアップダウンを繰返すことになるのだ。道は険しくはなく歩きやすい。サワガニ山を越えて次のピーク(1548m)を下ったコルに「北俣ノ水場」の標識があり、そこから左の沢を5分程下ったところに潤沢な水場がある。ここで十分に水を補給して犬ヶ岳の登りに向かう。その手前に小さなピークが3つほどあって、切り立った細尾根歩きもあり、思ったより山頂は遠い。山頂を少し過ぎた所に栂海新道の開祖の小野健氏の碑が立っている。50mほど下り、予定より1時間早い15時に栂海山荘(1550m)に到着。栂海山荘はよく手入れされたきれいな避難小屋。毛布も用意されている。有料で予約が必要だが、この日は我々の他に小屋泊が1人とテント泊が1人のみであった。
7/17:最終日が最も長い行程なので4:20に出発。細かいアップダウンを繰返しながら高度を下げて行く。黄連山の次のピーク(1291m)を越えたコルには「黄連の水場」があるが立寄らず。この辺りは素晴らしいブナ林が広がる。菊石山(1210m)、岩登りのある下駒ケ岳(1241m)と逆に高度を上げて行き、白鳥小屋が建つ白鳥山(1287m)への厳しい登りへと続く。白鳥小屋もよく手入れされた避難小屋で、携帯トイレ用スペースもある。小屋からは糸魚川の港が見える。長めの休止を取り体調を整えて、「シキ割の水場」(950m)へ一気に下る。尾根から一旦沢筋に下りた登山道脇に湧出る清水で喉を潤し、昼食とする。空は晴れ渡り、坂田峠(620m)までは炎天下の大下りとなるが、その後の尻高山(677m)、入道山(448m)と中々標高が下がらず、細かいアップダウンに体力を削られる。尻高山手前では子熊が登山道を横切り、母熊が近くにいるのではと緊張を強いられた。最後の体力を振り絞って、15:20に登山口の親不知観光ホテルに到着。タクシーを待つ間に海岸まで降りて日本海に足を浸し、3日間の長い山旅を終えた満足感にひたった。タクシーで糸魚川駅Pに戻り、「ひすいの湯」で汗を流して帰途に就いた。
リーダーの感想
糸魚川に前泊し、翌早朝にタクシーで蓮華温泉に入って登山開始。朝日岳経由朝日小屋で1泊、栂海新道に入り栂海山荘で1泊、親不知に下山して糸魚川に戻り、その日のうちに帰宅するという、海の日の3連休で栂海新道を踏破する計画を立てた。糸魚川までの往復は経済性と利便性を考えて自家用車。
「最終日の下山は日本海が見えてから遠いよ」と先輩から聞かされており、事実しつこいほどのアップダウンに苦闘したが、幸い曇り基調の天候に恵まれて、熱中症にかからず全行程を無事終えられたことは喜ばしい。 虫対策、残雪対策、水場の確保、食料や寝具の軽量化など、避難小屋泊りの長い縦走の経験と歩き切った自信はメンバーの今後の山行に資するものとなろう。
なお、今回のコースは白馬連山高山植物帯(特別保護区)に位置し、時期的にもまさに百花繚乱で筆舌に尽くせない素晴らしさであった、