icon 八峰キレット・不帰ノ嶮 icon


icon 山行日:24年08月01日~05日

icon 山 名:北アルプス・八峰キレット・不帰ノ嶮

icon 区 分:個人

icon 形 態:縦走

icon 参加者:4名(男性:1名、女性:3名)

 
八峰キレットと鹿島槍 

八峰キレットと鹿島槍

 

icon コースタイム


天気:8月1~4日快晴、8月5日晴れ時々曇り

8月1日(木)6:40平塚駅南口=11:45頃扇沢駐車場12:10-12:20柏原新道登山口- ⑩-13:40ケルン-⑩⑩⑩-16:40種池山荘(泊)

8月2日(金)種池山荘5:20-6:05爺ヶ岳南峰⑩-6:30爺ヶ岳中峰⑤-7:30冷乗越⑩-8:00冷池山荘⑩-9:35布引山⑩-10:40鹿島槍ヶ岳南峰(2889m)⑩-11:25キレット分岐⑤-11:37鹿島槍ヶ岳北峰(2842m)⑩-11:55キレット分岐-⑤-13:10キレット小屋(泊)

8月3日(土)キレット小屋5:30-6:55口ノ沢のコル⑩-7:35北尾根の頭⑩-⑩⑩-10:00五竜岳⑮-11:17五竜山荘⑮(昼食)-遠見尾根分岐-12:30最低コル⑩-12:47大黒岳-⑩-14:20牛首-14:40唐松岳頂上山荘(泊)

8月4日(日)唐松岳頂上山荘5:00-5:20唐松岳-5:56不帰3峰-⑩-6:18不帰2峰(南峰)⑤-6:37不帰2峰(北峰)⑤-⑩-8:00不帰1峰⑤-8:35不帰キレット⑩-天狗の大下り-⑩⑩-10:45天狗ノ頭-11:10天狗山荘(昼食)11:40-12:20鑓温泉分岐-12:55大出原⑩-14:10白馬鑓温泉小屋(泊)

8月5日(月)白馬鑓温泉小屋5:30-6:20杓子沢出会い⑩-⑩⑩-9:17鑓温泉登山口-9:30猿倉荘=大町市内(昼食・入浴)=16:55湘南

8月1日:歩行3時間50分、休憩40分、8月2日:歩行6時間35分、休憩1時間15分、8月3日:歩行7時間40分、休憩1時間30分、8月4日:歩行7時間25分、休憩1時間45分、8月5日:歩行3時間30分、休憩30分

 

icon GPSfile


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icon 山行の過程


8月1日:中央道の渋滞等で扇沢到着が予定より2時間近く遅れた。回送業者に猿倉までの自家用車の回送を依頼し、今夜宿泊の種池小屋には到着が17時過ぎになるかもしれない旨電話で伝えてスタート。柏原新道は良く整備されていて歩きやすいが、南斜面で陽が当たり、風も無くとにかく暑い。汗だくになりながら、それでも16:40には小屋に到着できた。

種池山荘 

種池山荘

夕日に染まる爺ヶ岳(手前から南峰、中峰、北峰) 

夕日に染まる爺ヶ岳(手前から南峰、中峰、北峰)

朝日を受ける蓮華岳、水晶岳、針ノ木岳、スバリ岳 

朝日を受ける蓮華岳、水晶岳、針ノ木岳、スバリ岳

 

8月2日:本日は時間に余裕があるので、爺ヶ岳は南峰・中峰とも巻道分岐でザックをデポして山頂を踏む。山頂からは富士山、八ヶ岳、南アルプス、槍・穂高、立山・劔、もちろん鹿島槍など360度の絶景だ。稜線は涼風が吹いて心地良い。鹿島槍ヶ岳はさすがに登りごたえがあるが、こちらも南峰から、キレット分岐にザックをデポして北峰まで足を伸ばす。

爺ヶ岳南峰より八ヶ岳、富士山、南アルプス 

爺ヶ岳南峰より八ヶ岳、富士山、南アルプス

爺ヶ岳南峰より立山、剱岳 

爺ヶ岳南峰より立山、剱岳

爺ヶ岳中峰より鹿島槍ヶ岳 

爺ヶ岳中峰より鹿島槍ヶ岳

冷乗越 

冷乗越

鹿島槍ヶ岳南峰 

鹿島槍ヶ岳南峰

南峰より爺ヶ岳、槍穂高連峰 

南峰より爺ヶ岳、槍穂高連峰

南峰から吊り尾根への下り 

南峰から吊り尾根への下り

鹿島槍ヶ岳北峰より南峰を望む 

鹿島槍ヶ岳北峰より南峰を望む

北峰より八峰キレットを望む 

北峰より八峰キレットを望む

分岐に戻り、いよいよ八峰キレットに踏み入る。中々厳しい岩場を下るが、鎖や梯子が整備されていて難易度は高くない。だが、キレット小屋までの行程が長く、小屋が見えているのに中々着かないのは精神的にきつかった。しかし、小屋から眺める夕日に染まる雲海の中の剱岳の姿は素晴らしかった。

キレットを下降 

キレットを下降

空中梯子 

空中梯子

キレット小屋 

キレット小屋

キレット小屋から見る劔の夕景 

キレット小屋から見る劔の夕景

朝の劔 

朝の劔

八峰キレット案内図 

八峰キレット案内図

 

8月3日:本日はまず八峰キレットの後半に挑む。地図を見ると五竜岳に取付く前に顕著なピークが9つほどあり、八峰=多くの岩峰という意味であろうかと思われる。ひとつひとつの岩峰の上り下りは難易度は高くないが、数が多いので体力が削がれる。極め付きは五竜岳の登りで、中盤のガレ場の急斜面はきつかった。

小ピークのアップ

小ピークのアップ

ダウン

ダウン

五竜岳(手前がG7、G5)

五竜岳(手前がG7、G5)

最低鞍部(口ノ沢のコル)

最低鞍部(口ノ沢のコル)

崩壊寸前のへつり道(G7)

崩壊寸前のへつり道(G7)

G5通過

G5通過

五竜岳から五竜山荘を経て唐松岳頂上山荘に至る登山道は雄大な稜線歩きが楽しめる。ただし、唐松岳頂上山荘直前の牛首の鎖場は高度感のある岩場で、あまりの好天にメンバーの1人が軽い熱中症の症状を発したこともあり、ペースダウンして慎重に通過した。

五竜岳山頂 

五竜岳山頂

五竜山荘が見える 

五竜山荘が見える

唐松岳への稜線 

唐松岳への稜線

牛首の岩場

牛首の岩場

唐松岳頂上山荘

唐松岳頂上山荘

立山夕景 

立山夕景

 

8月4日:今回の山行のハイライトの不帰ノ嶮に挑む。朝霧の中、5:00に唐松頂上山荘を出発し5:20に唐松岳山頂に至る。「この先不帰嶮」の小さな標識に気を引き締めて歩を進める。3峰は巻くように道が付けられている。2峰の南峰までは問題なし。その先北峰までの細尾根は少しいやらしい。

不帰キレットルートガイド

不帰キレットルートガイド

唐松岳山頂不帰嶮入口

唐松岳山頂不帰嶮入口

不帰3峰かな?

不帰3峰かな?

不帰3峰は巻く

不帰3峰は巻く

不帰2峰南峰

不帰2峰南峰

不帰2峰北峰と不帰1峰

不帰2峰北峰と不帰1峰

2峰北峰から1峰のコルまでが核心部だ。いきなり鎖はあるが足場の遠い垂直の下降。その後100m程の下降に8ヶ所の鎖場と空中梯子渡りなどがありスリル満点だ。30分をかけてコルに降り立った時には安堵のため息が出た。1峰通過は普通の山道。

不帰2峰北峰

不帰2峰北峰

北峰の下りが核心部

北峰の下りが核心部

スタンスが遠い 

スタンスが遠い

ほとんど垂直の下り 

ほとんど垂直の下り

空中梯子(アングルの橋) 

空中梯子(アングルの橋)

不帰1、2峰のコルへの下降

不帰1、2峰のコルへの下降

コルで一息

コルで一息

見上げる不帰2峰北峰

見上げる不帰2峰北峰

不帰1峰へは普通の登山

不帰1峰へは普通の登山

仕上げは天狗の大下りの登りだ。標高差300mの急斜面で途中には一枚岩壁の長い鎖場が待ち受ける。が、技術というより体力勝負だ。標高2700mのピークからは天狗の頭を越えて白馬岳に至る雄大な稜線が続く。天狗山荘で昼食とし、鑓温泉分岐で白馬岳への稜線と別れて鑓温泉へと下降する。温泉小屋手前には水に濡れた鎖場があり注意が必要だ。予定より1時間程早く14:10に鑓温泉小屋に到着し、入浴とビールを楽しみ、八峰キレットと不帰ノ嶮踏破を祝った。

天狗の大下りを望む

天狗の大下りを望む

大岩壁の長い鎖場

大岩壁の長い鎖場

振返る不帰ノ嶮 

振返る不帰ノ嶮

登り切ると穏やかな稜線 

登り切ると穏やかな稜線

天狗山荘 

天狗山荘

白馬鑓ケ岳への稜線 

白馬鑓ケ岳への稜線

鑓温泉分岐 

鑓温泉分岐

鑓温泉小屋 

鑓温泉小屋

 

8月5日:猿倉まで4時間ほどかけて下山。回送されていた車に乗り込み、大町温泉郷の「薬師の湯」で長旅の汗を流して帰路についた。

トウヤクリンドウ 

トウヤクリンドウ

ウメバチソウ 

ウメバチソウ

ミヤマキンポウゲ咲く下山道 

ミヤマキンポウゲ咲く下山道

 

icon リーダーの感想


扇沢から入山し、爺ヶ岳・鹿島槍を越えて「八峰キレット」とさらに五竜岳・唐松岳を越えて「不帰ノ嶮」を繋ぎ、白馬鑓温泉から猿倉に降りる山中4泊5日の計画を立てた。八峰キレットと不帰ノ嶮という国内一般登山道としては最難関の2つの難所を含む35kmに及ぶロングコースを無事踏破できたことを喜びたい。天候が良かったので険しい岩場で雨でスリップすることがなかったことがまず幸いであった。また、早朝の集中力の高い時間帯に難所をクリアして昼過ぎから遅くとも14時台には小屋に到着する余裕ある計画としたことも功を奏したと思う。メンバーは岩稜通過経験が豊富で体力・気力共に充実しており、難所でも安定した歩行が出来たことが大きい。

 

icon お勧めの山・関連する山行記


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