船窪岳~烏帽子岳
山行日:21年08月20日~22日
山 名:北アルプス・船窪岳~烏帽子岳
区 分:個人
形 態:縦走
参加者:4名(男性:1名、女性:3名)
コースタイム
08月20日天気:晴れのち曇り、一時小雨、21日:小雨のちくもり、22日:小雨のちくもり
20日:平塚駅南口5:35=9:10七倉山荘P9:30-⑤-11:00唐沢ノゾキ11:10ー12:20(昼食)12:40ー13:40鼻つき八丁13:45-15:10天狗の庭15:20-花散策ー16:20船窪小屋(泊)
21日:船窪小屋6:10-6:30七倉山6:35ー7:45船窪山第1P7:50-9:15船窪岳第2P9:30-⑤ー⑤ー12:20不動岳(昼食)12:50-13:32南沢乗越13:37ー14:20南沢岳14:50ー四十八池⑩ー烏帽子岳分岐ー16:20前烏帽子岳ー16:40烏帽子小屋(泊)
22日:烏帽子小屋6:00-6:50三角点6:55ー7:25中休み7:30ー8:20権太落し8:30-9:10登山口ー9:25キャンプ場-9:35濁沢登山口ー9:40高瀬ダム, 9:50(タクシー)=10:00七倉山荘P
20日:歩行6時間、休憩50分、21日:歩行8時間40分、休憩1時間50分、22日:歩行3時間30分、休憩20分
山行の過程
8月20日:七倉山荘に通じる県道326号線は一部崩壊のため片側通行で夜間(17:00-8:00)通行止め。七倉山荘手前の無料駐車場に車を駐め、居合わせたアルピコタクシーの運転手に高瀬ダムからここまでタクシー利用が可能であることを確認して、予定より30分遅れの9:30に出発。車止めゲートをすり抜けてトンネルのすぐ右手前に船窪新道の入口がある。最初の標高差400mは急登だ。唐沢のぞきで七倉尾根に出る。標高2000mあたりから”鼻突八丁”と呼ばれる急登となる。
2300mあたりから森林限界となり視界が開け、”天狗の庭”に着く。高瀬ダムが眼下に見下ろせる。船窪小屋まではもうひと登り。気持ちの良いお花畑の稜線を辿って16:20に小屋に到着。
8月21日:小雨の中、船窪小屋のスタッフに見送られて6:00に出発。分岐からひと登りで七倉岳(2509m)。雨も上がり、蓮華岳や針ノ木岳、これから向かう船窪岳の眺望が良い。
船窪乗越までは約300mの大下りだ。不動沢の大崩れを左手に見ながら船窪岳第一ピーク(2300m)へ登り返す。ここから第2ピーク(2459m)までが花崗岩の崩壊地を行く難所だ。しかし、要所に鉄パイプの手すりやロープが設置されており、慎重に行動すれば通過可能だ。
第二ピークから不動岳までもアップダウンの多い厳しい経路だ。もろいザレ場の急登や岩登りもある。不動岳の山頂部は台地状の稜線で最高点は2601m。ここで昼食としたが、通る風が汗をかいた体に冷たいので、早々に行動を再開した。不動岳山頂の南端からほぼ西に進路を取り南沢岳に向かう。入口はハイマツ帯の中の細い踏み跡でややわかりにくい。ここから標高差200mほどハイマツの藪漕ぎとゴロの沢筋を下って、再びハイマツ帯を2625mの南沢岳山頂まで登り返す。
山頂からは野口五郎、烏帽子、薬師、五色ヶ原から遠く立山、劔の眺望が素晴らしい。今日歩んできた七倉から船窪、不動の稜線が手に取るようだ。南沢岳から烏帽子への道はこれまでとは打って変わって良く整備されており、烏帽子岳の東側に展開する”エボシ四十八池”の眺めがまるで日本庭園のように美しい。時間が押していたので烏帽子岳登頂は断念し、四十八池でゆっくりと時間を過ごし、厳しかった今日の山行の疲れを癒した。燕岳のような趣の前烏帽子岳(2605m)を越えると烏帽子小屋の青い屋根が見え、16:40に到着した。
8月22日:本日はブナ立尾根を下るだけ。5:50に出発。小雨が降ったり止んだりであったが、快調に歩を進めて9:10に登山口に下山。高瀬ダムから七倉荘まではタクシーを利用し、入浴・昼食を済ませ、12:00に帰路に就いた。
初秋の稜線を彩る花々
憧れのランプの宿船窪小屋に泊まり、崩壊の進む船窪岳~烏帽子岳の稜線を辿る山行を計画した。マニアックなコースなので、単独行も止む無しと思っていたが、健脚のベテラン3人の参加を得て、厳しいコースを無事踏破できたことをまず喜びたい。船窪小屋に到着する前、稜線で花を愛でていると「いらっしゃーい」と女性の声。ガスで良く見えないがどうやら小屋のスタッフが我々を見つけて声を掛けてくれたようだ。小屋に着くと、歓迎の鐘が慣らされ、外のベンチまでお茶とサンダルを運んでくれる心配りにまず感激!囲炉裏を囲んでの食事も質素ではあるが美味しく、特に自家製味噌の味噌汁は絶品であった。翌朝は雨の中、スタッフ全員で見送ってもらい鐘が鳴らされまた感激。小屋のスタッフが設置してくれた手すりを伝って船窪岳のザレ場を通過出来てまたまた感謝であった。コースとしては地味だが、最後のエボシ四十八池は思わず”日本庭園”と呼びたくなる絶景で、規模は小さいものの雲ノ平にも負けない隠れた景勝地である。